販売促進のために配布するノベルティは、原則として事業上の経費にできます。勘定科目は広告宣伝費や販売促進費が候補ですが、特定の取引先への贈答は交際費に該当する場合があります。判断の中心は、グッズの名称ではなく「誰に、何のために配るか」です。国税庁も、不特定多数への宣伝費用と取引先への贈答費用を区別しています。(nta.go.jp)
本記事では、お客様がノベルティの会計・税務処理を整理できるよう、勘定科目、仕訳、消費税の注意点を解説します。法人の基本的な処理を中心に、配布前の在庫についても確認します。
ノベルティは販売促進目的なら経費にできる
ノベルティは、事業の宣伝や販売促進に使う場合、経費計上の対象になります。ただし、会計上の費用と、法人税上認められる費用は分けて確認する必要があります。国税庁は、宣伝目的の費用と交際費を区分し、交際費には税務上の制限を設けています。発注前に用途を整理することが、適切な処理の出発点です。(nta.go.jp)
経費計上の基本は事業との関連性と配布目的
経費計上では、ノベルティと事業との関係を説明できることが重要です。一般消費者に商品を知ってもらうための配布は、宣伝目的として整理できます。一方、取引先への謝意を示す贈り物は、交際費の検討が必要です。企画書には配布対象、目的、予定数量を記載しておくと、実態を確認しやすくなります。(nta.go.jp)
購入費・製作費・送料などの扱い
ノベルティの費用は、本体代だけでなく制作に必要な支出も整理します。名入れの印刷費、加工費、包装費、送料を見積書で分けて確認すると、支出の全体像が分かります。取得に直接必要な費用と、配布に伴う費用は、内容に応じて処理を検討します。決算時に未配布品がある場合は、購入額をすべて当期の費用にできるとは限りません。(nta.go.jp)
ノベルティの勘定科目は目的に応じて選ぶ
ノベルティの勘定科目は、宣伝、販売促進、社内使用、贈答という用途から選びます。国税庁は、広告用の名入りグッズを広告宣伝費の例に挙げています。ただし、科目名だけで税務上の扱いが決まるわけではありません。お客様の社内ルールでは、科目と配布目的をセットで管理することをおすすめします。(keisan.nta.go.jp)
広告宣伝費・販売促進費・消耗品費の使い分け
広告宣伝費は、企業や商品を広く知ってもらうための費用です。購入特典などの販促品を管理する場合は、販売促進費を設ける方法も考えられます。社内で使う文房具などは、消耗品費として整理できます。配布用のボールペンは、文房具という理由だけで消耗品費にせず、宣伝や贈答という実際の用途を優先して判断します。(keisan.nta.go.jp)
仕訳例で見るノベルティ購入時の会計処理
仕訳は、費用計上の時期と消費税の経理方法を決めてから行います。以下は、宣伝配布用グッズを税込55,000円で購入し、その期に全量配布する仮定例です。税抜経理で、税率10%の仕入税額控除を全額受けられる前提としています。未配布品が残る場合は、後述の在庫処理を別途確認します。(nta.go.jp)
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 広告宣伝費 | 50,000円 | 普通預金 | 55,000円 |
| 仮払消費税等 | 5,000円 | ― | ― |
仮払消費税等は、仕入れ時に支払った消費税を管理する科目です。後払いの場合は、購入時の貸方を未払金とし、支払時に普通預金へ振り替える形で整理します。
取引先に配るノベルティは交際費になる?
取引先への配布でも、すべてが交際費になるわけではありません。国税庁は、カレンダーや手帳などを贈るために通常必要な費用を、交際費から除外しています。一方、取引関係の維持を目的とする贈答は、交際費に該当し得ます。配布先だけでなく、品物と贈る目的を合わせて確認する必要があります。(nta.go.jp)
不特定多数への宣伝配布は広告宣伝費が基本
不特定多数に宣伝効果を意図して配るノベルティは、広告宣伝費が基本です。一般消費者向けイベントで商品紹介とともに配る販促品は、その考え方に沿って検討できます。ただし、業種によっては配布相手が一般消費者に当たらない場合があります。展示会という名称だけで判断せず、来場者の属性や配布条件も記録しましょう。(nta.go.jp)
特定の取引先への贈答は交際費となる場合がある
特定の取引先に謝意や親睦を目的として贈るグッズは、交際費となる場合があります。例えば、重要な取引先だけに贈る高価な記念品は、贈答の実態を確認すべきケースです。ただし、通常のカレンダー等には交際費から除かれる扱いがあります。単価の高さや配布先の限定だけで結論を出さず、品物の性質も確認してください。(nta.go.jp)
広告宣伝費と交際費の違いを比較表で確認
広告宣伝費と交際費は、配布対象、目的、品物の性質という3つの軸で比較します。基本は、広く認知を促すなら広告宣伝費、取引先への贈答なら交際費です。ただし、通常のカレンダー等には例外があります。以下の表は、国税庁の区分をもとに実務上の確認事項を整理したものです。(nta.go.jp)

配布対象・目的・品物から区分する
配布の実態を分類すると、勘定科目の候補が見えやすくなります。同じグッズでも、配布対象や目的によって判断が変わります。表の区分は、品名だけで処理を確定するものではありません。実際の企画内容と照らして確認してください。
| 配布ケース | 配布対象 | 主な目的 | 基本的な区分 |
|---|---|---|---|
| 一般向けの宣伝配布 | 不特定多数 | 商品・企業の認知 | 広告宣伝費 |
| 通常のカレンダー等 | 取引先など | 宣伝・日常使用 | 交際費から除外 |
| 特定先への記念品贈答 | 選定した取引先 | 謝意・親睦 | 交際費を検討 |
| 社内用の文房具 | 自社の従業員 | 業務での使用 | 消耗品費 |

宣伝配布なら広告宣伝費、親睦目的の贈答なら交際費を検討します。通常のカレンダー等は、交際費から除外される条件に照らして確認します。(nta.go.jp)
判断に迷ったときの確認ポイント
判断に迷う場合は、配布先、目的、品物、金額の順に確認する方法が有効です。申請書には「販促用」だけでなく、対象者と配布条件を具体的に記載しましょう。同じ発注品を宣伝配布と取引先贈答に使う場合は、数量を分けて記録すると整理しやすくなります。税務上の区分は個々の実態で判定するため、記録を添えて税理士に相談してください。(nta.go.jp)
ノベルティの税務処理と消費税の注意点
ノベルティの税務処理では、法人税と消費税を別々に確認します。法人税では費用の性質や交際費の制限を、消費税では仕入税額控除の要件を確認します。経費として記帳しただけでは、税務上の処理は完了しません。決算前に、配布記録と請求書を照合することをおすすめします。(nta.go.jp)
損金算入は費用の性質と交際費の区分を確認する
損金算入とは、法人税の所得計算で費用として差し引くことです。広告宣伝費と交際費では、その扱いが異なります。一定の要件を満たす資本金1億円以下等の法人には、交際費の年800万円の定額控除限度額を選ぶ制度があります。ただし、大法人の完全子会社等には例外があり、短い事業年度では限度額も調整されます。(nta.go.jp)
グッズの贈答費用は、接待飲食費の50%損金算入の対象ではありません。飲食費に関する制度を、そのままノベルティへ適用しないよう注意してください。(nta.go.jp)
仕入税額控除に必要な帳簿・請求書を保存する
仕入税額控除とは、売上げに係る消費税から仕入れに係る消費税を差し引く仕組みです。ノベルティ購入でも、原則として所定事項を記載した帳簿と適格請求書等の保存が必要です。適格請求書は、いわゆるインボイスを指します。発注時に発行可否を確認し、本体代、印刷費、送料などの内容を請求書と照合しましょう。(nta.go.jp)
消費税の免税事業者は、仕入税額控除を受けられません。また、簡易課税などでは計算方法が異なるため、お客様の申告方式に合わせた確認が必要です。(nta.go.jp)
ノベルティの会計処理でよくある質問
ノベルティの会計処理では、ロゴの有無と配布時期を分けて考えることが重要です。ロゴ入りでも、贈答の実態があれば交際費の検討が必要です。また、購入と配布が別の事業年度になる場合は、費用計上時期を確認します。よくある2つの疑問を整理します。(nta.go.jp)

社名やロゴ入りのグッズは広告宣伝費ですか?
社名やロゴ入りという理由だけで、広告宣伝費に確定するわけではありません。国税庁は広告用の名入りグッズを広告宣伝費の例としていますが、宣伝用途であることが前提です。特定の取引先への親睦目的の贈答なら、実態に応じた判断が必要です。名入れデザインに加え、配布企画書も保存すると目的を説明しやすくなります。(keisan.nta.go.jp)
配布前のノベルティはどのように処理しますか?
配布前のノベルティは、原則として貯蔵品などの資産として管理し、配布時に費用化する処理を検討します。法人税基本通達では、消耗品等は消費した事業年度の損金とするのが原則です。ただし、毎期おおむね一定数量を取得し、経常的に消費するものは、継続した取得時の損金算入が認められる場合があります。大量の一括制作では、この例外を安易に適用せず、期末数量と金額を確認してください。(nta.go.jp)
ノベルティの配布目的を整理して適切に処理しましょう
ノベルティの適切な処理には、発注前の目的整理と配布後の記録が欠かせません。宣伝か贈答かを明確にし、勘定科目、費用計上時期、消費税を順に確認します。国税庁の区分に照らしても、品名より実態の確認が重要です。制作担当と経理担当で同じ情報を共有すると、判断の行き違いを減らせると考えられます。(nta.go.jp)
配布記録と証憑を残し、判断が難しい場合は専門家へ相談する
配布記録と証憑は、ノベルティの支出を説明するためにまとめて管理しましょう。証憑とは、請求書や領収書など取引を裏付ける書類です。配布記録には、日時、対象、目的、数量を残すことをおすすめします。判断が難しい贈答品や未配布在庫は、資料を揃えて税理士へ相談してください。(nta.go.jp)
お客様が販促品の制作を検討される際は、配布対象、予算、数量、名入れの内容を整理したうえで、弊社のサービスページをご覧ください。税務上の区分は専門家に確認し、商品選びと会計処理を並行して進めましょう。
出典一覧
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